フランスで最も消費され、最も愛されているチーズがこの「コンテ」。熟成期間は4ヶ月~36ヶ月と様々でどの季節の草を食んだ牛のミルクか、またどのフリュイティエール(チーズ工房)で作られたコンテなのかによっても風味・味わいが異なってきます。約35キロの車輪型のコンテチーズを一つ作るのに、約530Lの牛乳が必要ですがこれは牛30頭から1日に採れる量に匹敵します。
一方、一つのフリュイティエールは、半径約13キロメートル以内に位置する通常19のメンバー〈酪農家〉から構成される。コンテの製造方法と生産地は昔から変わっておらず、現在はAOC制度によって規定されている。熟成が完了すると、チーズ一つひとつの味、テクスチャー、外観を20点満点で採点される。
15点以上のものは「コンテ・エクストラ」として認められ、緑のラベルが貼られる。12点以下はコンテAOCとは認められません。風味は最低でも88種類あるといわれ、ミルク由来のものからハープやナッツなどの香り、アミノ酸系の旨みなど複雑に風味・味わいを作ります。
18ヵ月熟成のコンテは、ところどころに旨み成分であるアミノ酸の結晶である白い粒があり、栗のような質感に木の実やナッツ、花の蜜など様々な味わいと風味を味わえます。