夫婦で造る農家製の濃厚シェーブルチーズ!
フランソワ・マストとヴァネッサ・マスト夫妻はシミアン・ラ・ロトンドに移住し、プロヴァンス地方の古代ヤギ品種であるローブからとれる濃厚でクリーミーなミルクを使ったミストラルーチーズを作り、放棄された農場を復活させました。
この農場は、石灰岩の多いアルプ・ド・オート・プロヴァンスの麓にあり、夏は長く、暑く、乾燥した気候が特徴的な地域です。 この環境下で、マスト家の70頭のヤギたちは、他の品種ではできないような、田園地帯を自由に歩き回り、自生するハーブや花々を摘みながら生活し2月から9月にかけて乳を生産しています。
ローブは、竪琴の形にねじれた立派な角が特徴の、古くからある地方品種です。
かつては食肉用として飼育されていたが、ヤギ肉の人気の低下とともに絶滅の危機に瀕した。しかし現在では、搾乳用動物として再発見され、この地方に健康的に生息しています。
そして、そのミルクは特に濃厚でクリーミーで甘く、ミストラルーの味わいをより深くさせています。
ミストラルーの表皮は乳酸菌の力だけで作られた酸凝固チーズであり、その柔らかさが特徴です。
ローブミルクの香ばしい蜂蜜の風味を生かすために、あえて塩分を控えめにしています。それぞれのチーズは栗の葉で包まれ、フローラルなミルクのフレーバーに、タンニンと土っぽさがほんの少し加わります。
南フランスで造られるマルサンヌやルーサンヌなど、果実味豊かな白ワインと相性がいいです。
初代M.O.F.を受賞したモンス氏は、フランス・リヨン郊外ロアンヌで、両親からチーズ熟成士の仕事を受け継ぎました。
両親は青空市場に車で行商し、チーズ屋を営んでいましたが、モンス氏と弟ローランも加え家族で会社を経営するようになりました。
今ではフランスの三ツ星レストランをはじめ、世界各国にチーズを出荷する会社へと成長を遂げています。
モンス氏は2007年に廃坑を買い取り、最適な湿度を保つ自然なカーブを作り、現在はそこでチーズを熟成させています。
湿度と温度のコントロールは当然のこと、チーズによっては棚板の木も変えるのほどのこだわりのチーズ熟成士です。