1976年にAOCを取得したフランス・ロワール側の上流域シャヴィニョル村で作られる歴史あるシェーブルチーズです。「クロタン=馬糞」という残念な名前の由来は、約60gの手のひらサイズのこのチーズが熟成すると表皮に青カビが繁殖し、やや黒く変色することからこの名が付けられました。ただ市場に出回っているものは、表皮が白から淡い黄色みがかった若いものがほとんどです。
初代M.O.F.を受賞したモンス氏は、フランス・リヨン郊外ロアンヌで、両親からチーズ熟成士の仕事を受け継ぎました。
両親は青空市場に車で行商し、チーズ屋を営んでいましたが、モンス氏と弟ローランも加え家族で会社を経営するようになりました。
今ではフランスの三ツ星レストランをはじめ、世界各国にチーズを出荷する会社へと成長を遂げています。
モンス氏は2007年に廃坑を買い取り、最適な湿度を保つ自然なカーブを作り、現在はそこでチーズを熟成させています。
湿度と温度のコントロールは当然のこと、チーズによっては棚板の木も変えるのほどのこだわりのチーズ熟成士です。