オート・サヴォワ県ヴェルト谷で放牧されるアボンダンス牛のミルクから造られるチーズを共同の熟成カーヴで数カ月熟成させた後、M.O.F.チーズ熟成士のエルベ・モンス氏が引き取り、さらに数ヶ月熟成させています。
表皮は赤褐色。中の生地は黄色みの強いアイボリー。角のとれた塩味がナッツの様な旨味を引き立てているこの美味しさは、大切に造られた農家製ならではです。
側面の楕円形のカゼインマークは、農家製(フェルミエ製)の証し。工場製(レティエ)は四角形のカゼインマークです。このチーズの歴史は古く、14世紀にはアボンダンス修道院で造られていました。
1990年のAOC獲得後、生産量は伸びてきていますが、今でも希少価値の高いチーズです。側面が窪んでいて、「ボーフォール」にそっくりですが、大きさは約1/4程。牛種、チーズ名、地名で使われる「アボンダンス」という言葉には、もうひとつ「豊富」とか「多量」といった意味もあります。
風味豊かな山のチーズは、ミネラルを感じる白ワインやコクのある白ワインとよく合います。